めまい
脳からの中枢めまい、耳からの末梢めまいがあります
めまいは、ふわふわとした「浮動性めまい」とぐるぐる回る「回転性めまい」があります。「浮動性めまい」は、病状が緩徐な疾患でみられることが多く、代表的な疾患としては脳腫瘍のひとつの聴神経腫瘍があげられます。「回転性めまい」は、突発的に発症する疾患において観察され、代表的な疾患は耳のメニエル病や突発性難聴などがあります。また、突発的に発症する脳卒中でも「回転性めまい」がみられることがあります。
めまいの診断においては、「浮動性めまい」あるいは「回転性めまい」の性状だけで原因疾患を特定することは難しいため、脳の症状や耳の症状の有無を調べたり、画像所見を用いて診断を行います。
中枢性めまい
脳腫瘍と脳卒中は代表的な原因です。中枢性めまいでは、めまい以外にも特徴的な眼振(眼球の不随意な動き)、複視(ものが二重に見える)、麻痺、失調(ふらつき)、嚥下障害(飲み込みの悪さ・強いむせ)、呂律の障害がみられることが多いです。また、CTやMRI検査で、腫瘍や脳卒中をみつけることができます。片頭痛にもめまいを併発することがあり、これは片頭痛に関連する周期性の症候群や前庭性片頭痛と呼ばれるものがあります。治療はそれぞれの原因疾患の治療になります。
末梢性めまい
頭位変換性めまい、前庭神経炎、メニエル病、突発性難聴などがあります。いずれもめまいの症状は強く、回転性めまいであることが多いです。この中でも頭位変換性めまいは最も多く、めまい疾患の25%から50%を占めています。耳鳴りや難聴などを伴うメニエル病や突発性難聴の場合は、患者さんは耳鼻咽喉科を受診しますが、頭位変換性めまいや前庭神経炎は耳鳴りや難聴を伴わないため脳神経外科外来を最初に受診されることがあります。このような場合は、脳腫瘍や脳卒中など頭の病気が無い事を確認してから、耳鼻咽喉科に治療をお願いしています。