群発頭痛
頭痛の中でも最も激しい頭痛の一つです


 群発頭痛はあまり多い頭痛ではありません。1万人に10人から20人くらいの患者さんの数と推定されています。片頭痛の患者さんは、1万人あたり800人以上ですから、比較的少ない頭痛になるかとおもいます。脳の奥の視床下部が過剰に活性化していることが原因と考えられて、有力な説になっています。また、三叉神経の過剰な活性化も有力な説です。
 
群発頭痛の症状
 群発頭痛は激烈で片側の目の周りやおでこ、こめかみの辺りがキリで突き刺されるような激しい頭痛がみられます。痛みのためにじっとしていることができずに、歩き回ったり、うなったり、転げ回ったりすることもあります。自律神経症状がみられることも特徴で、頭痛がある側に涙や鼻水がみられることも多いです。まぶたが腫れぼったくなったり、痛みがあるところに汗をかくこともあります。そして頭痛の持続は、15分から3時間の持続です。1日の内に何度も起きることもあります。この頭痛の時期を群発期といいますが、おおよそ数週間から数ヶ月続きます。群発期は、数ヶ月から数年おきに来ることが多いようです。ただ、2割くらいの患者さんは一度の群発期だけですむとも言われています。
 
群発頭痛の治療
 痛みを止めるための急性期治療と痛みを発生しにくくする予防治療があります。
 トリプタンの内服や点鼻薬は、それなりに効果をしめします。ただし、強い頭痛の場合には、満足いくほどの改善効果は得られにくいです。そのため、激しい頭痛にはスマトリプタンの注射薬が最もよい適応となります。群発頭痛は夜中に起きることも多いので、クリニックでは在宅での自己注射の指導も行っています。
 また、群発期には純酸素の吸入も効果があります。8割くらいの方が頭痛の軽減を自覚なさります。当クニックでも、頭痛が生じた際の酸素吸入器を整えています。なお、2018年4月より在宅酸素療法が承認され、自宅での治療が可能となりました。
 予防治療ですが、ベラパミルというお薬が主体で、これには頭痛を和らげる効果があります。ただ効果が出るまでに時間がかかるので、それまでの間はステロイドの内服をおすすめしています。
 
食事や生活で気をつけること
 群発期の飲酒はほぼ確実に頭痛を誘発するので止めておきましょう。群発期がおわれば飲酒も大丈夫です。また、群発頭痛は愛煙家に多いことも分かっていて、タバコが一つの原因となっている可能性はありそうです。
 
 群発頭痛は大変つらい頭痛ですが、急性期治療と予防治療をうまく組み合わせて乗り切りましょう。